飼い猫が脱走、行方不明となり、テレビでおなじみのペットレスキューに依頼しました。
飼い猫が脱走し、ペットレスキューさんに依頼しました。
飼猫が脱走してしまったとき、皆さんはどうしますか?
室内飼いの猫が外に出てしまうと、家ではすぐに捕まえられても、外では近寄ってこないことが多いそうです。
今まで一緒に築いた信頼が無くなったように思えてショックですが、猫から見ると室内で人に会うのと、外で人に会うのとでは違った感じに受け取られ完全に同じ人と認識できないのかもしれません。
私はTV番組で有名なジャパンロストペットレスキューさんに依頼しました。
https://www.jlpr.net/
結果として、猫を捕まえることができました。
捕獲機で捕まえたのですが、それまでの間専門家に適宜意見を聞けたので心強い思いでした。
私が依頼したジャパンロストペットレスキューさんは、
捕獲まで全部やってくれる訳ではなくて、基本的に自分で対応します。
自分で罠を見張り、ご飯を補給し見張ることが必要と考えてください。
罠である捕獲機と監視カメラは貸して頂けました。
使い方も丁寧に説明して頂けるので安心です。
1.やられた!シロ脱走
猫の脱走はいつも突然です。
私はシロと名付けた猫を動物病院に連れていくために東京に向かって車で走っていました。
当時は静岡県に住んでいましたが、関東圏に引っ越す予定でしたのでいきつけの動物病院を東京にしておこうと考えていました。
ですので、今回も東京の動物病院に行こうと考えたわけです。
そして、途中コンビニに立ち寄りました。
そこは、東京都内ですがそんなに都会でもなく田舎でもなくほどほどな場所でした。
国道が通って交通量は多いですが、高層ビルもなく少し歩けば住宅街であり緑も多く住みやすそうな場所です。
私はそんな所の広いコンビニの駐車場に車を停めました。長らく走ってきたので、少し休みたかったのです。
コーヒーでも買って一休みするつもりでした。おもむろにドアを開けると事件は起こりました。
ドアを開けると同時にシロは飛び出て行きました。一瞬のことでした。
私は「しまった」「どうしたら」という思いで頭が一杯になりました。
繋いでいたはずのシロの首輪を見ると、座席の下ではずれて落ちています。
首輪の付け方が少し甘かったのでしょう。
飛び出したシロを目で追います。
シロは車から離れてコンビニ横の金網の下で低い姿勢でこちらの様子を伺っているようでした。
私は慌てて車から飛び出て追いかけると、シロは金網を登りきりあっという間に反対側に・・・
私も追いかけて金網を登り、反対側に行きました。
そこは古い水路のようです。今は水は全く無く雑草が生い茂っていました。
シロは「追いかけて来た!」という顔をしてまた逃げます。
自分史上最高に必死に追いかけたはずなのですが、猫のスピードに敵うはずもありません。
シロは水路の行き止まりの金網をするする登っていき、私はとうとう見失いました。
呆然としました。諦めきれずコンビニの近くをシロの名を呼びながらぐるぐると探し回りました。
3時間ほど探し回り、そして車に戻って後悔しました。
ここは東京です。他の猫の世話も仕事もあります・・・静岡に帰らなければなりません・・・
後ろ髪をひかれる思いでその場所を去り、家路に着くしかありませんでした。
2.ペットレスキューさんに電話
家に帰り、今後どうしたらいいのか考えました。
自宅周辺で脱走したのならば、なんとかなるかもしれませんが少し遠くあまり土地勘のない場所です。
その近くに知り合いもいません。
このまま悩んでいても答えはでないように思えました。
自分でどうにかできるようにも考えられなかったので、結局はテレビでよく見かけたペットレスキューさんにお願いすることにしました。
他のペットでいうと蛇が脱走したときは初動が肝心だと聞いたことがあります。早く対応すれば早いほど逃げた猫も見つかり易くなるだろうと考え思い切って電話しました。
電話を掛けると、丁寧に対応して頂きました。驚いたことに返事は自分の考えとは異なるものでした。
猫の場合は蛇とは違い、知らない土地にほっぼり出されると何日間かは1か所で動かずじっとしているそうです。
そのため、その間何をしても無駄とのこと。不思議ですね!
今はペットレスキューとして動いても何もできない、依頼ならばその期間が過ぎてからまた連絡くださいとのことで、その間できることを教えて頂きました。
3.活動開始
まず念のため電話をします。
脱走した地域の市役所に白猫が回収されていないか問い合わせ。
これは最悪の場合ですが、国道に出てしまい車に轢かれたりして死亡した場合に市役所に連絡が行くからです。
警察に迷い猫の連絡。
保健所に白猫がいるか、白猫が来たら教えてくださいと連絡。
そして迷い猫チラシを自分で作成しました。(チラシは後でペットレスキューさんが作成してくれましたので、それに差し替えました。)
脱走現場に車を走らせ、近くの公園で配りました。皆さんチラシを受け取ってくださり、心配して頂ける方も多くいらっしゃいました。
逃げたコンビニとその隣のマッサージ店にも貼って頂き、強力して頂きました。
ありがとうございます。
昔は電柱によく迷い犬や迷い猫の貼り紙がしてありましたが、今は許可を得るのが難しいそうなので、貼りたかったですが、諦めることにしました。
そして、シロは腹が減っているだろうから、どこかにご飯を置こうと考えました。暫くは動かないかもしれないけれど、動いたときにすぐ食べられるように・・・
いつも食べているご飯があったら、私が来ているということも分かるので安心するでしょう。
不幸中の幸いでしょうか、コンビニのすぐ近くにガラクタ置き場があり、そこならばコンビニに入る方にも歩行者にも目に付かず、難く誰の邪魔にもならなさそうです。
その後、改めてもう一度周りを歩き回りましたが、やはりシロの姿を見つけることはできませんでした。
やれることをやり、その日は脱走現場を後にしました。
4.依頼
何日か経ち、ペットレスキューの担当さんと脱走現場で落ち合い、捕獲のための作戦の説明を受けることになりました。
脱走現場に早めに着いたのですが、自分が置いておいたご飯が食べられているのを発見しました。少し嬉しくなりましたが、まだ安心できません。他の動物が食べたかもしれません。
担当さんが到着したので、まずは地図で猫の習性からだいたいの行動範囲を教えて頂きました。
そして、捕獲は捕獲機の罠を仕掛けることを確認し、同時に暗視カメラを貸して頂けました。
罠はケージ型の捕獲機で入口が一つだけあり、その中に餌がぶら下げられるようになっており、引っ張られると入口の扉が閉まるというものです。
アライグマも捕獲できるような立派なものでした。
監視カメラは、動いているものを感知するセンサーがついており、反応している間映像をメモリーカードに録画するというものでした。もちろん防水で、電池で動きます。
仕掛ける場所が大事らしいのですが、私がご飯を置いた場所で食べているのならば、そこが良いでしょうということになりました。
今回は罠をしかけるのに良い場所があったので問題になりませんでしたが、罠を仕掛けるのに良い場所は担当さんが教えてくれます。
最初の場所でうまくいかなければ、罠の場所を変えていくこともあるでしょう。
猫は夜行動するので、夜間捕獲機の近くにいて、何時間かごとに捕獲機を確認するのがよいと教えて頂きました。
初日は夜から朝にかけて担当さんがついていてくれて、やり方を説明してもらえます。
思いついたことは何でも聞くことができました。
午前2時ごろ、捕獲機にはかからなかったのですが、監視カメラの映像が撮れていました。
画像を確認すると、確認できました!シロです。
でも他にも地域猫が食べに来ているのも確認できました。
そして午前4時ごろ、ついに捕獲機に猫が掛かりました。
残念ながらシロではなく、地域猫でした。
掛かった猫は担当さんが遠くに持って行ったようです。
心配なのは捕獲された所をシロが見ていたかもしれないことでした。
そうなると、絶対に捕獲機に対して警戒心を抱きます。
元来、白猫は警戒心が強いと言われており、まさにうちのシロも他の猫よりも警戒心が強く感じられます。
まず捕獲機に対して安心感を持たせることが必要でした。
仕掛けが動く部分にもご飯を置きますが、捕獲機の中と外にもご飯を置きます。
シロが外のご飯で足りないと思ったときに中に入ってくる。
そうして捕獲機の中のご飯を食べても安心だと思わせるのです。
その後監視カメラに映っていたシロは、やはり捕獲機に対して警戒しているようでした。
私は毎日脱走現場に来るわけにはいかないので、来れない日はたっぷりとご飯を置いておきました。
来れない日は捕獲機の仕掛けが動作しないようにしました。せっかく捕えても私が近くにいなければ、捕獲機の中で鳴いて誰かが逃がしてしまうかもしれないと考えたからです。
来たときは監視カメラに映るシロの姿を見て安心し、どれくらい捕獲機に警戒心を抱いているか確認しました。
だいぶシロの捕獲機に対する警戒心が薄れてきたと考えていたそのとき・・・ショッキングな出来事が起こります。
5.シロが消えた。
まる3日間シロが監視カメラに映りませんでした。それまで毎日のように監視カメラに映っていたのに・・・
担当さんに相談したところ、どうやら地域の猫に追い出された可能性があるようです。
そして、追い出されて戻ってこれない場合、今想定している範囲から外に広げてやり直す必要があるとのこと。
でもそれはかなりの手間になります。
1か所で夜間待っているだけで結構しんどいのに一体どうしたらよいのでしょうか。
折角ここまで頑張ってシロが捕獲機に警戒しなくなってきたのに、これまでの苦労も水の泡です。
落ち込んだ気分のまま、家路につきました。
このままでは心配なので次の日の夜も脱走現場に行くことにしました。
次の日、監視カメラにシロが再び姿を表していました。
戦って自分の居場所を必死に取り戻したのでしょうか。
とにかくこの場所でまだ居てくれてほっとしました。と、同時に早く決着を付けなければなりません。
また同じことが起こらないても限りません。
今まで捕獲機の中でご飯を食べさせてきたので、捕獲機に対して警戒しておらず中に入ることは何とも思っていないはずです。
いくら警戒心の強いシロとはいえ、うまくいくような気がしました。
そして、喧嘩してシロが地域猫を追い出したらならば、地域猫よりもシロが食べに来る確率が高いはずです。
勝負の時が近づいていました。
6.捕獲のとき。
思い切って、捕獲機の仕掛けの部分にのみご飯をくくりつけました。
腹が減っているならば、これを食べるしかありません。食べれば確実に捕獲機の扉は閉まります。
シロは地域猫に勝ったことで勢いづいているかもしれません。
成功の確率は上がっている・・・今日が勝負の日と思いました。
勝負を開始してから2時間後、捕獲機を見ると見事シロが掛かっていました。
夢に見た瞬間です。喜んでそのまま捕獲機を持ち上げそうになりましたが、万が一にも逃がす訳にはいきません。
絶対に逃がせられないんです。私の体力的に。もうしんどいし。
捕獲機の扉が閉じていることを何度も確認しました。
さらにまわりにガムテープを巻いて万全の状態としました。
シロは捕獲機の中でウロウロと戸惑っています。
私はそれに構わず捕獲機をゆっくりと持ち上げようとしたところ、
シロが扉に全力の体当たりをしました。
多少扉がぐらつきましたが、ガムテープも巻いていたのでまったく問題ありません。
そのまま慎重に車に乗せました。でもまだ気を抜くことはできません。
何があってもシロを逃がしてはいけない。またしんどいことになる・・・
私は一切寄り道せずに家まで車を走らせました。
長い道のりを走り切り家に到着し、家の中に捕獲機を運びやっと扉を開けました。
今までの苦労が報われたのと、安心したのとでどっと疲れが出ました。
でも本当に嬉しい瞬間です。
やっと帰ってきた~シロも嬉しいよね。
と、シロを見やる私
シロはというと、まるで脱走など一切していなかったかのように、いつも通りに自分のお気に入りの位置に座り他の猫と遊び始めました。
なんでいつも通りなんだ・・・
ペットレスキュー担当さんに電話をしてお礼を言い、捕獲機と監視カメラは宅急便で送付しました。
苦労しましたが、何とかシロを取り戻すことができました。
シロは以前人間に捨てられていた猫です。自分で逃げたとはいえ、今回私が取り戻さなかったら結果的に2度捨てられたような状態だと思います。
帰ってきたシロをよく見ると耳がちょびっと欠けていました。以前はなかったので地域猫と争ったときの傷でしょう。
とにかくシロがあの場所に戻ってくれたおかけで、再び会うことができました。シロも必死だったんじゃないかと思います。
今はシロはこたつの横に寝そべり、幸せそうに暖をとっています。
もう2度とあのような経験はしたくないと思う私でした。